奄美方言音声データベース

方言五十音別索引:ウ ヴ

語彙数:218

1.ウッカンツぃブル(名詞)cjuNcburuを敬っていうことば。おつむの骨。xoobeともいう。
2.ウブガマチ(名詞)赤ん坊の頭のうぶ毛。[少量を切取って一生保存しておく。死んだとき、棺に入れる。]×顔、手足のうぶ毛は(類)ubug
3.ウシンムぃ(名詞)大きなどろんとした目玉。大きくて表情の無い目に言う。陰口、喧嘩などに使う。×賞めていう大きな目はhuumと言う。(類)m
4.ウクバ(名詞)奥歯。(対)meeba
5.ウスぃバ(名詞)臼歯。
6.ウブゲぃ(名詞)うぶ毛(生まれたての赤ん坊の)。
7.ウミ(名詞)膿。できものが膿をもったときは、オオバコ、ツワブキなどの葉を火にあぶって患部にはりつけ、膿を吸い出す。疔、よう(癰)などのようにひどくなると、イノシシの肉を食べる。ブタ肉は膿を出す効果がなく、かえって内攻させるのでよくない。[ブタ肉を食べて雨にぬれたりすると、kwacjoohu《破傷風》になって死ぬといましめた。](類)izimuN、gabu
8.ウムリ(動詞)〈1〉熟す(果実などが)。×《機が熟す》などにはいわない。(2)膿む(おできなどが)。
9.ウシンクス(名詞)乳児の頭にでる真黒な分泌物。ウシの糞に似ているのでこの名がある。
10.ウチヨージョ(名詞)医者にかからずに家庭で治療すること。自宅で養生すること。一般に医者にかからない人が多かったが、特に癩、フィラリア、結核は遺伝病と考えられていたので、家の中でこっそり養生する人がほとんどだった。'joozjoともいう。(対)isja'joozjo
11.ウブぃラン ユムた(連語)うわ言(高熱のときなどに口走る)。
12.ウブギン(名詞)生まれた子どもを初めてお宮参りをするとき着せる産着。[赤ん坊が生まれると、一般では特に産着は作らず、大人の古着にくるんでおいた。上層の家でも新生児にはすぐ産着を着せず、悪神に子どもの誕生を知らせないために古着にくるんでおき、約1か月経ったお宮参りのとき初めて産着を着せる習慣であった。(お宮参り、すなわちera'ogamiは一般的な習慣ではなく、新しい。高千穂神社が氏神となる以前は、親noro《巫女》の家に行き、赤ん坊の額に紅をつけてもらって、村人になった印としたという。noroが廃れて行くにつれて、その習慣もなくなって行った。)ubugiNは、裾は縫わず、背中の上の方に、衿明きから長方形の守り袋を縫いつける。袋には、幸福でしかも長命な人の白髪をもらったのと、米3粒とを入れる。背から魂が脱け出さないように、また長寿にあやかるように、一生安楽な生活を送れるように、という願いをこめてある。裾を縫わないのは、子どもが大きく成長するようにという気持ちによるものである。izjasihazimegiNとも言う。
13.ウワッパリ(名詞)うわっぱり。着物の汚れを防ぐために、単衣仕立てで着物風の物を作り、割烹着代わりに着た。丈は各自の好みで、コートのように紐を上前、下前につけて結んだ。特に老人が多用したようである。
14.ウビ(名詞)帯。明治初年までは、ubiといえば、hacibudara《横目・与人などの礼装用帯》と、sjebasaN ubi《横目以下の礼装用帯》とをさした。明治半ば以後、本土から本土風の帯が入ってくると、一般にはobiといって従来のものと区別したが、老女たちはそれもやはりubiとよんだ。hacibudaraは前で結ぶものであった。官服関係は[社会]の部を見よ。
15.ウぃースぃバ(名詞)〈1〉上唇。〈2〉kiN nu〜の形で、(着物の)上前。(類)meesba詳しくは[人体]の部を見よ。
16.ウラ(名詞)裏。(着物の)裏地。以前は女物の胴裏、八掛は同じ布(主に木綿)をつけていたが、現在は本土と同じく別布をつける。男物は大島袖の表地に木綿の裏地をつける人が多いようだが、これも古くからのことではない。袷の普及が大体近代のことである。(対)omoe
17.ウラゲぇスリ(動詞)裏返す。(古くなって色があせたりした着物などを、裏を今度は表に出して仕立てる。)
18.ウデぃスぃグリ(名詞)腕まくり。着物の袖をたくし上げて腕を出すこと。体を使って働くとき、また威勢をつけるときなどにする。sguriはこそげること。比喩的に、男の性器が勃起する状態も言う。(類)sudmakuri
19.ウラけぇシマギン(名詞)着物を裏返しに着ること。単衣や縫い目のはっきり見えないネルの着物などは、子どもなど間違えて裏返しに着ることがある。この着方でいると、他の子どもたちは、カラスがその着物に糞をするといって囃し立てるのをよくやった。
20.ウチクい(名詞)女のかぶりもの。木綿の藍染めの絞りで、並巾を2枚接いで大巾の風呂敷のような形とした。明治末ごろまで老女たちが外で仕事をするときに日除けにかぶった。(類)sazi
21.ウルぃグシ(名詞)女から恋人へ贈る、巾1〜1.5寸の細帯。太い木綿、バショウなどの糸を自分の好きな藍、白、赤などに草木染めにして、縞や絣などに織る。織り方は、織り口を自分の帯に結んで固定し、他の端を足に挟むか、木や柱固定して織る原始的なやり方。山や畑に持って行き、仕事のあい間に恋人への思いをこめて自分の手で織り進める。長田は7、8才のころ、イグサでこれを織って遊びながら、次のような歌を歌ったのを覚えている。 agokwa xamaci 'jaa nuga xa'I 'jaa、haamuN u kuumuN u a'ja hera. 'jaNmkwa urgusi aQka kur? hamabaa agokwa ga kuraN cjo、kurna cjo.≪姉ちゃんの 頭 は どうした の(ね)。赤いの と 黒いの とが 縞になっている(柄 拾った)。兄ちゃんの 細帯は 誰が くれたの? 海辺の 姉ちゃん が くれたの さ、くれた の さ。≫
22.ウムリ(動詞)つむぐ。カラムシ、アサ、バショウ、リュウゼツランなどの'uu≪繊維≫を、1本の根元と別のの先端の方とを合わせて、手で縒り合わすようにしてゆくこと。また、真綿を指先で長く引き出して糸にすることもいう。前者を 'uuumi、後者を ma'waaumi という。
23.ウけぃンズムぃ(名詞)ウコン染め。ウコンはその根茎(ショウガの大きなものに似ている)をすりおろして、染色に用いる。薬にもなる。黄色の代表としてウコン色の名があるくらいであるが、禁色で一般には染料の使用は禁じられていた。奄美では薩摩に貢物として上納していたが、のちにサトウキビ作りに専従させられたため、上納はなくなり、ウコンの栽培は禁止された。別表参照。
24.ウルリ(動詞)織る。すなわちあらかじめ機に張りそろえてかけた経糸に、緯糸を組合わすようにくぐらして通すことを繰り返して、布地を作り出すこと。草や竹を経と緯と編合わせることと技術の性質は同趣である。立ち木と自分の体とに経糸の両端を縛りつけて張渡し、あや棒を使えば、最も簡単な織機となる。経緯の組合わせをなるべく早く、かつ巧みに作出すために、数々の種類の手織りや機械織りの織機が考案された。(類)nonouri、haamuN
25.ウリムン(名詞)織物。すなわち機で布を織ること、また、その製品。(類)nonouri、urimuN'ja
26.ウリムンヤ(名詞)布を織るための家屋。昔、今より大家族(使用人も含めて)で暮らした時代には、母屋の一群とは別棟に作業のための建物を作り、そこに何台も機をたてておき、女たちが集まり、家族の着物用の布を織っていた。長田の生家にもこのurimuN'jaがあったが、明治初年の火事の際焼失してしまった。
27.ウリクチ(名詞)布の織り口。布の織出しのところ。以前は藁しべを7、5、3と織りこんで、布の中に魔ものが入るのを防ぐまじないとした。現今の大島紬の織り口には、「本場奄美大島紬」という赤い字が織りこまれている。(類)husu
28.ウリキリ(名詞)布を織上げること。
29.ウリキリヨウぇ(名詞)布を織上げた祝。仕事にたずさわった女たちで、焼酎を1杯飲んで祝う。
30.ウリズぃマリ(名詞)織り縮み。はじめ、糸の量から計算した丈や巾よりも、実際に織って布になってみると、尺が詰まっていること。筬の打ちこみ方で目が詰まったため、こうなることもある。大島紬の場合は、検査で、一定の尺度があるので、あまり織り縮みになると、合格が懸念される。

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