奄美方言音声データベース

方言五十音別索引:キ ギ

語彙数:149

1.ギョロムぃ(名詞)ぎょろ目。丸く大きな目を悪く言うもの。あちらこちらぎょろぎょろ見る目。
2.キンバ(名詞)金歯。(類)giNba
3.ギンバ(名詞)銀をかぶせた、あるいは銀で埋めた歯。(類)kiNba
4.キモ(名詞)〈1〉肝。肝臓。食用とするニワトリ、ブタなどの肝を主としてさす。〈2〉悲しみや苦しみなど、個人の根源的な感情をつかさどるところ。また、やさしさ、気の強さなど性質を根本的に決める要素のあるところ。肝、心。xohoroは判断や計算など、より理性的な活動もつかさどるところであり、kimuciは、肉体的な快、不快の感じと一体となっているところ。amasiは肉体の生命力を支配するもので、本来個体から独立したもの。
5.キュビシドロ(名詞)細腰。《帯紐をするところ》の意。
6.(名詞)精液。[隠用語]
7.キンたマ(名詞)〈1〉睾丸。きんたま。[隠用語](類)ama、huguri 〈2〉はかりのおもり。分銅。[本土ではふぐり(陰嚢)と称した。この意味では人前でもかまわず使える。]
8.キンキリアザ(名詞)衣裳持ちのしるしのほくろ。azaを見よ。
9.キクン(名詞)気力。体力的に人並みに生きて行くだけの力。疲労、病気、老齢などで衰え失われる深刻な状態にもいうし、何か食べて疲れがとれたときなど、軽く〜nu ccja.《気力 が ついた。》と使うこともある。
10.キクンギリ(名詞)気力の無くなった状態。病気が重くなったときもいうが、疲れたときいう軽い言い方をよくする。(類)kikuN
11.キビョー(名詞)気病み(心配、苦労から起こる病気)。
12.キズぃ(名詞)傷(手足の、柱や器物の)。×不完全な所、欠点にはいわない。
13.キリキズぃ(名詞)切り傷。ソテツの実を叩いてつけると血止めになる。
14.キズぃグチ(名詞)傷口。
15.ギンキ(名詞)元気(健康で、活発で)。
16.キン(名詞)着物。和服。(衣服の総称としては使わない。)衣生活は、暖地ゆえ四季を通じて大きな変化は無く、以前は植物繊維の着物のみを着ていた。その種類はアダン、リュウゼツラン、ビロウ、ハマボウなどが原初的なものであり、年代が下がるにつれて、カラムシ、バショウが用いられた。中でもバショウは栽培が簡単な上、繊維が長いので、長い間主要な座を占めており、冬着としても用いられていたことは、和家の古い着物からも窺える。木綿が入ってくると、冬はこれを用いるようになり、次第にバショウにとって代わるようになった。官位のある上層の人には、礼服の規定があり、着物の数も多かったが、一般の人は数も少なく、寒いときには単衣の着物を2枚重ねるという風であった。袷が本土から入って来たのは、明治になる少し前と考えられ、爾来上層から下に次第に広まって来たが、大正の初期まで貧しい人、古風を守る人は、袷を用いず、現在でもその傾向が尾を引いて、80〜90才くらいの老婆は、生計が楽になっても、袷を用いない。終戦前までの服装は、一般にほとんどが着物で、学校の先生や、中学校、女学校の制服に洋服が見られるくらいだった。長田は地元の小学校へは着物、袴、はだしで通い、名瀬の女学校へは着物、袴、下駄で通ったが、弟は名瀬の中学校へ洋服(制服)を着て通った。小さい子どもたちが遊ぶときには、女の子でも上半身裸、はだしということが多かった。戦争を境に服装も急速に変わり、80才以上の老婆が、昔ながらの着物(丈が短く、細帯を前で結ぶ)を着る以外はほとんど洋服となった。前述のごとく、一般には着物をわずかしか持たなかったが、特別の行事に際しては、新調されるものがある。赤ん坊がお宮参りのとき着る、izjasihazimegiN、7、8才くらいまでの子どもに着せるhabrahagigiN、はじめて自分の干支が来る13才の祝に作るusinu'jo'wegiN、嫁入りに着る'jaaacigiN、埋葬されるとき着せられるsirujoogiN、などである。'jaaacigiNは時代が移るにつれて内容が変わって来たし、sirujoogiNも早く用いられなくなった。また仕事着の一種でイネ刈りのとき着るoozikigiN、一名iixarigiN、5月5日の節供に着るgogwacnusQkugiN、8月15日の祭りの折のhacigwacgiN、正月のsjoogwacgiN、などが、特筆されるものである。各項参照。
17.キンキルい(名詞)衣類。着物、帯、肌着などを引きくるめていう語。
18.キュービ(名詞)扱帯。1巾の布を大体体の2まわり分に結びの分を加えた長さに切って、しごいて用いる。上層の人は、外出には縮緬、平常は木綿の無地または木綿絞りの1巾物、一般の人は外出には木綿物を締め、平常はあり合わせの細紐を使った。(これを'iirokjuubiという。)上層の女はmurasakicirumeNkjuubiを用いた。子どもは上層でも木綿物だけであった。結び方は、男はうしろ、女は前でチョウ結びや結び切りにするのが普通だったが、長田の小学校の頃にはすべて本土風にという法令があったので、うしろで結ぶよう学校の先生に言われていた。なかなか直らない子もいて、前で結んで登校して、校門をくぐってからくるりとうしろに廻すという女の子も珍らしくはなかた。《(帯を)する》はsjuri、《ほどく》はhuQkuri(類)ubi
19.キンたシ(名詞)着物を裁つこと。[着物を裁つ上で1番重要なのはkubihwe《衿肩あき》で、それを裁つことは全体を裁つことになるとさえ考えられていた。着物を裁つには吉日を選んで行った。詳しくは(類)kubihwe
20.キンキリ(名詞)着物の着方。着つけ。〜arasari《〜が 雑だ》、〜'wahasjari《〜が おかしい》、〜 'ja'warasari《〜が 丁寧だ》など言う。(類)kiNkirihazime
21.キンキリハジメぇ(名詞)新しい着物の着初め。長田の母の在世中(昭和9年ごろまで)は、新しい着物をおろして初めて袖に手を通すとき東に向かって塩をなめ、次のようなまじないを唱えて祓い清めた。x'u nu 'joxaru hi ni kiN kiriba kiN 'wa kirist、mi 'wa cu'joku.《今日 の 吉き 日 に 着物を 着初めれば 着物 は 着古して捨てるようになっても(着捨て)、体 は 丈夫に。》
22.キンバリガサ(名詞)絹張りの日傘。明治末、長田の父は沖縄土産にこの繻子張りの日傘を買って来たが、大変珍しいものであった。(類)xasa
23.キルリ(動詞)着る(着物、襦袢、羽織、洋服などを。ふとんを。)(類)haxuri、xeheruri、xasruri、xabururi (対)nuguri下巻参照。
24.キヌシェル(名詞)絹セル。経糸が絹、緯糸が梳毛糸で織ってあり、hoNsjeruより薄い。春や秋のよそゆきになりはしたが、祝いごとや不幸など、あらたまったところには、失礼に当たるといって、着なかった。(類)sjeru
25.キーイル(名詞)黄色。染色としては、クチナシの実、シイ、ウコン、フクギ、ソメシバなどの樹皮で染めるが、媒染剤の用い方で他にも黄色に染まるものがある。(別表参照。)本土で黄色でとらえているもので、大島で以前はhaairuととらえていたものが、自然の色の中にいくつかある。すなわち卵の黄身をhaami{赤身}といい、青いミカンやイネの穂の色づくのを、haabeu naa.《赤っぽく なった。》というのである。(下巻参照。)
26.キリヨ(名詞)自分で織って、自分や家族の着物用に使う織物。商品に対する。(対)urimuN[社会]
27.キカいウリ(名詞)機械織り。明治45年ごろ半ば機械化されたばったん織りの機械が移入されたが、やはり手織りの方が味わいがあるためか、すぐ廃れたらしい。戦後は大小の織物工場が出来て、機械織りで大島紬を大量生産している。手織りは特殊な存在となって来た。もともと大島紬は紬といっても、絹糸を用いるので銘仙と同じで、加えるに昭和45、6年ごろには、白無地の大島に染めつけをするのがはやって来て、その白無地が実は京都で織られてレッテルだけ大島とつけられるというようなからくりもあると聞く。(対)uri
28.キンシロ(名詞)布の織り終わりに残った分の経糸のこと。(壱岐でも同じ意味に用いる。)(kiNは《着物》。)この余り糸も以前は決して無駄にせず、集めてつないでoNzjo《仕事着》を織るのに使ったり、緯糸に用いたりした。現今ではそのような手間をかけて糸を大切にする風は見られなくなった。
29.キンヌぃリ(名詞)布を練ること。織上がった布をnribaN《きぬた》の上に広げてnribaNcici《きぬたの槌》で叩くか、布を巻き棒に巻いてijabu《長い槌》で叩くかして、地質を柔かくし、織り目を詰めてつやを出す。(巻き棒に巻いて固定する方は『南雑』に絵があるが,長田は見たことがない。)
30.キンこージ(名詞)黄色い麹。麹を造るとき、初めの方の段階で出来るもの。'wahaxoozi《若い麹》とも言い、misucki《味噌造り》のa《主原料》として、最も良いもの。これがよく出来ると、その家が繁栄するといって喜ぶ。(類)xoozi

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