奄美方言音声データベース

方言五十音別索引:サ ザ

語彙数:189

1.サガリムぃ(名詞)目尻の下がった目。下がり目。
2.サハマツぃゲぃ(名詞)さかまつ毛。
3.サゲぃドーグ(名詞)huguriの言い代えことばで、からかい半分のふざけた感じの語。下層の女が労働の場で使っているのを聞いたことがある。
4.サヌぃ(名詞)〈1〉果実の種の中み。(類)an〈2〉陰核。〈3〉米を搗いて粉にするとき、どうしてもこわれずに残る固い部分。これでsanmuciを作る。(類)sanmuci〈4〉着物をぼろぼろになるまで着古したことの比喩的表現。埋葬した死体の皮膚、衣服を改葬に際して見た状態。また体がすりへってなくなりそうになるまで相手を恋い慕って立ち尽くす状態。
5.サハムゲぃ(名詞)ささくれ(指先の)。
6.サベぇハダ(名詞)ざらざらした肌。さめ肌。生まれつきのもの。醜いとされ嫌われる。sabeは恐らく、イネなどいろいろな植物につく小さな害虫を言うものと思う。その害虫のついた葉は、あとに赤黒い斑点が沢山出来る。
7.サゲぃグスリ(名詞)下剤。上層の人は漢方薬を使った。一般の人が何を下剤として用いたかは知らない。
8.サンリ(名詞)三里。万病にきくという灸のつぼ。
9.サいホー(名詞)裁縫。学校の授業の1つとしてnu'imuN等を教わるときにはこの名を以てよぶ。
10.サいホーバク(名詞)裁縫箱。女学校で裁縫を教えるようになってから、使われ出した。
11.サゲぃバリ(名詞)下げ張り。arehariの方法の1つ。糊をつけた布を竿にかけ、なま乾きのとき両手で布を引っ張りながら巻棒に巻くか、またはよく畳んで、ござなどの間に敷き、上から足で踏んでしわを伸ばす。長田の母はこの方法でしていたが、idbariやsiNsibariのようにきれいには仕上がらなかった。(類)arehari
12.サジ(名詞)女の、婚礼のときのかぶりもの。長さ2尋ほどで色は白、生地は張りのある紋紗のようなもので、両端に房がついている。上層の女だけがかぶり、一般の人は使わなかった。
13.サナダ(名詞)真田紐。本土から入ったものだが、その時期ははっきりしない。大島の働く若者たちは仕事が終わると着物を着て真田紐をへこ帯の代わりにしたりする。
14.サバ(名詞)草履。藁、イグサ、竹の皮、クマタケランの茎、タコノキなどで作る。一般にははだしの生活だったが、磯を歩くときは痛いので草履をはいた。adaNsaba≪タコノキで編んだ草履≫を、男から恋人に贈る習慣があり、その草履の鼻緒は、わざとあまり丈夫にしなかった。鼻緒が切れるとその度に、2人が会えると言われていたから。(類)hakimuN
15.サシゲぇた(名詞)足駄。本土から大正時代入って来た。(類)hakimuN
16.サゲぃガマチクヮ(名詞)下げ髪。4、5才くらいの幼女の髪形の1つ。頭頂を丸く剃って周囲の髪を下げた形。magzubuが普通男女の別なく子どもの結った髪型だが、そのmagzubuよりもハイカラな髪形として流行した。(類)xamaci'ju'I
17.サゲぃガミ(名詞)お下げ髪。本土から入った少女の髪形で、上層の娘などの中には、式日にお下げ髪にしてリボンをつける者もいた。一般に小学生の女子は昔からのmagzubuか、少しハイカラな銀杏返し(本土から入って来た日本髪の中で、少女向きのもの)に結っていたころゆえ、非常に目立ったものだった。(類)xamaci'ju'I
18.サかヤキ シュリ(連語)剃る(髭、襟あし、顔、髪形によっては頭頂を、剃刀で)。以前の大島の女子は、顔や襟あしを剃ることはしなかった。近代になって剃るようになったのは本土の影響か。(類)sururi
19.サバキ(名詞)櫛。以前は竹で作られたということを聞いているが、長田が使っていたのは木製で、長さ20cm前後の歯の粗いものだった。(類)kusi
20.サバくり(動詞)とかす(髪の毛を)。捌く(糸、網などを)。
21.サンショバシャ(名詞)繊維を取るバショウの外側から3番めの皮。またそこから得た繊維。煮て繊維を取る。1斤を米3升と交換することからこの名がある。(類)basja、niribasja、arabasja
22.サンランシ(名詞)カイコの蚕卵紙。農事試験場で売っていた。長田の記憶する限りでは、明治末ごろ、親類でカイコを飼っていたときには、既に蚕卵紙を買っていたし、その後長田が自分でしたとき にも使用した。
23.サナギ(名詞)さなぎ。カイコから変わった、まゆの中のさなぎ。大島ではニワトリの餌にしていた。さなぎを食わすと肥ると言われている。
24.サワリ(名詞)メリンス。Sa'warigiN《メリンスの着物》は高価で一般は着られず晴着とされていた。長田は名瀬の女学校に通学の際、普段はガス銘仙で、上等のものがメリンスだった。着物の柄は現代とあまり違わず、花柄(キク、ウメ、サクラ、フジなど)である。若い女たちはメリンスの腰巻にあこがれていた。(類)sitamuN
25.サネルリ(動詞)諸縒りにする。縒りを左縒りと右縒りとにかけて、その2つの縒りを少し戻すようにすると、両方がからみ合い、諸縒りになる。Nu'iso《縫い糸》や元結いは、この諸縒りである。木綿以前はバショウをこの方法で縒り、縫い糸に使用している。現今刺繍などをするのに、かま糸で糸の太さを任意にして、諸縒りをかける。諸縒りにした糸は丈夫で、またそれで出来た布は固い仕上がりになる。
26.ザグリ(名詞)ざぐり。すなわち糸巻き台。綛糸をかけて固定しておいて、haa《糸車》を使って'waku《糸枠》あるいはkuda《竹の管》に糸を巻くようになっている。(類)kudaoosi iokuri
27.サヤガた(名詞)さやがた、琉球から入った地紋。親noroの打掛けや袴などに好んで使用されたようである。今は大島紬の柄にこれに似たものが使われている。同じ柄で天井を張ったものはa'jaNzjoという。
28.サンクズぃシ(名詞)棧くずし。絣の柄の1つ。明治ごろ琉球から入ったと思われる柄。
29.サたグいサリ(形容詞)甘みが濃い。甘ったるい。(対)xarasari
30.サた(名詞)砂糖。詳しくは[生産・交通]の部を見よ。

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