奄美方言音声データベース

方言五十音別索引:セ ゼ

語彙数:17

1.セヘぇ(名詞)焼酎。蒸留酒で、a《主原料》とnuki《副原料》とで作る。aにする麹を作る材料の名によって、xumzehe《米焼酎》、haNszehe《いも焼酎》。narizehe《ソテツ焼酎》、siizehe《シイの実焼酎》などの種類がある。haNszeheやnarizeheは一種のにおいがあり、siizeheはアルコールの度が強いという。味においてはxumzeheが最高とされている。明治末までは自家用の焼酎を作っていたが、明治42、3年ごろから禁止令が出、沖縄からの焼酎や本土からの酒を買うようになった。終戦後一時手作りの焼酎が飲まれたが、今は後を断ち、昭和30年ごろ、大島の本土復帰後名瀬に焼酎会社が初めて出来、沖縄の古い泡盛に匹敵するアルコール分45°くらいの良質の焼酎が本土あたりまで販売されるようになった。若い人々には焼酎よりビールの方が好まれるようになったが、冠婚葬祭、村の行事、寄合い(焼酎1合びんを各自持参する)などに用いるのは焼酎ならではで、他に代わるものはないほど、まだ古い姿をとどめている。東京あたりでも泡盛屋、豚骨屋の家号の店が、焼酎を飲みながら大島の郷愁をなぐさめ合う人たちによって盛んに使用されている。大島の古い伝統の中に生まれた焼酎の生命は、大島の人々と共に長く生き続けるであろう。
2.セヘぇたレ(名詞)焼酎作り。明治42、3年ごろ禁止令が出るまで、旧家では焼酎を自分の家で作っていた。もろみを鍋に入れ、その上に底のない樽をのせる。樽の中には錫で作ったcburuを入れる。加熱されたもろみは蒸発してcburuの上部にたまり、外部からくる冷水に冷却されて焼酎となって、cburuの内部にある溝を伝って外部に出る。この作業は女の仕事で、母も女中も総出でsehearego'jaとよぶ焼酎作りのため掘立小屋(村の一定の場所にある)で終日行われた。
3.ゼゼ(名詞)自在鉤。竹で作ってあり鉤は服木を利用する。'juru''i 《いろり》 の中央に下がり、火の神のよりしろとなる。家に死人が出た場合は取り替えて、死の不浄を蒙った古い鉤は火の神へのつつしみから海へ流す。
4.セクニン(名詞)。専門の職人もいたが、一般の人も大工の心得があり、村落部では輪番にして共同作業で大工仕事をした。太家の書院は島津家の御殿大工で大島に流人となって来ていた人の手になったもので、本土風の立派なものであった。一方nahaN'ja《中の棟》は島の大工の造ったものだが、これも負けず劣らずの力量を持っていたことが窺われる。[大島では大工を恐ろしがる。大工に曲尺で指されるとよいことはない、といっていた。]一般の人で手先が器用で大工仕事などうまい人は(類)sekusja
5.セクドーグ(名詞)大工道具。たいていの家にちょっとした大工道具はあって、大工仕事は各自でやったが、曲尺、墨つぼは大工でなければ持っていなかった。
6.セクドーグ(名詞)大工道具。nohogiri≪鋸≫、numi≪のみ≫、xanazc≪金槌≫、'uN≪手斧≫、ma'jaQkwa≪墨つぼ≫、baNzjogan≪曲尺≫、まさかり、水準器、など。その他大小さまざまな道具がある。大島では一般の家でも台風などの害に備えて、たいていの家で大工道具をおいていた。大工道具は大切にされていて、これをまたぐことは、禁じられていた。大工の家では正月2日に、大工道具を入れた箱の上に餅を飾ってdeeku'jo'we≪大工の祝≫をする。[住]の部参照。
7.セヘェェガムぃ(名詞)酒がめ。薄茶色の素焼きのかめ。misugam《味噌がめ》より丸くて丈は低く、薄手だった。回りにシュロを編んで作った袋がかけてあった。
8.セへぇヌぃブ(名詞)酒造りに用いる柄杓。細い竹の節で作る。
9.ゼゼとゥリケぇ(名詞)(いろりの)自在鉤を取り替えること。[家族の者が死ぬと、火の神への不浄を恐れて家の中の火を消すが、そのとき火の神の憑り代と言われるzeze《自在鉤》を取り替える。古い方は海に流し捨てる。葬式を出して3日後、家の中に新しい火をつけるとき、新しい方が使われ始める。(類)acckhazime
10.セザ(名詞)〈1〉年上(の者)。(seza'jeheri《兄(年上の男きょうだい)》[古]、seza'onari《姉(年上の女きょうだい)》[古]、sezakjoode《年上のきょうだい》、sezaQkwa《上の子》、seza'onagunukwa《上のむすめ》、sezauzi《年上の妻》以上の例以外には限定的用法は少ない。×seza(nu)'uziとは言わず、wnu'uzi《年上のおじ》と言う。)(類)w(対)uutu〈2〉年上のきょうだい。兄、姉の総称。'jeNganuseza《兄》、'onagunuseza《姉》
11.セザイェヘぇリ(名詞)兄(妹から見て)。(類)'jeNga nu seza
12.セザおナリ(名詞)姉(弟から見て)。(類)'onagu nu seza
13.ゼックヮ(名詞)(aQsjeの親しみをこめた、くだけた形。)ねえさん。(類)aQsje(長田の父は、親類のN.家の主婦と、面と向かってはこの称で呼び、陰で話題にするとき、たとえば母に話すときは、家の名に続けてaQsjeと呼んでいた。これは親しみをこめた呼称であろう。一方、もと'jaNcjubikiでのちに金持ちになった人が、自分の姉のことをこの語でよぶということを聞いた。その場合は、原形のaQsje(内至asjeQkwa)を用いるのは旧習から見て憚られるので、くずれた形のこの語の方を採って用いているのではあるまいかと推測する人がいる。)
14.セクニン(名詞)大工。大工の仕事内容に関しては[住]の部を見よ。なお、大工職の祝いごとはdeekunu'jo'weと言う。
15.センソー(名詞)戦争。(日清戦争のころから使われ始めた。ikusaの新語。
16.セヘぇ・セヘぇルリ
17.セー・セールリ

[001]

管理者へメール ホーム 見出し語検索 標準語五十音別索引 方言五十音別索引 カテゴリー別索引 品詞別索引 ひとつ前に戻る ヘルプ