奄美方言音声データベース

方言五十音別索引:チ ヂ

語彙数:104

1.チュンクビ(名詞)人の首、すなわち切離された頭部。首級。×されこうべは(類)cjuNcburu (類)kubi、xamaci [首をさらされたことが、長田の先祖にあったと聞く。薩摩藩の島役人がいばっていたので、'juNcjuにちょっと嫌がらせをするよう言いつけたところ、その役人を殺してしまった。その責任を、'jaNcjuの主人としての長田の先祖が問われた、という。]
2.チュンツぃブル(名詞)されこうべ。[奄美には風葬の習慣があり、海辺に近い崖や砂浜にあとが残っている。古風を守る人は、明治初年ごろまでizaobanare枝手久[地名]に来て、この風葬を行なっていたと言う。現今はこの習慣のあったことを秘すためか、このたれこうべのことを、戦争で倒れた人、または外国船で難破した人のものであると称している。このされこうべを研究のために家に持帰った人が、のちに発狂したことがあり、一般の人は、そのたたりだといって恐れている。](類)uQkaNcburu、onocjuNcburu
3.チョマフタ(名詞)1重まぶた。(類)taamahuta
4.チーバ(名詞)乳歯。
5.チー(名詞)〈1〉乳(乳房も分泌する乳も。人、イヌ、ネコ、ヤギ、ウシなどの)。〈2〉植物の汁。乳に似て白いのや、布につけると澁色に変色するもの、など。
6.チンクビ(名詞)乳首。
7.チューサシイブぃ(名詞)人さし指。ものを指さしたり長さを計ったり、busaをしたりするのに用いる。人さし指の第2間節を曲げて、その横線と第1間節の内側の横線との間の長さをiQsuN《1寸》として、長さの単位とした。(類)iQsuN、sisuN[墓を指さすことは禁忌になっており、万一うっかりさした場合は、人さし指を口にくわえて3回左まわりすることによって崇りをのがれた。また湯湾岳からある村の人が、「あそこに見えるのが、私の家だ」と指さしたところ、その家が火事になったという。霊場では指をさすことは慎むべきであるとされてる。]
8.チマムぃ(名詞)血まめ。金槌などであやまって指などを叩いたりして出来る。(類)mam
9.チー(名詞)血(人、動物の)。〜hikjuriで《血を 引く=血縁関係がある》
10.チムルシ(名詞)血のかたまり。大量の出血の際出る。murusiは、肉の大きなかたまり。(類)murusi
11.チキャラ(名詞)力。重いものを持上げたり、押したり、引いたり出来る、固いものをつぶしたり、引きちぎったり出来る、強い相手を負かすことが出来る、もの。学力や経済力の意味には言わない。〜sjuriで《頼りにする。》〜uusuriで《落胆する》(親が死んで、試験に落第して、など)。×生活力(類)haaraki
12.チーかスヰグリ(名詞)血痰。以前は血痰を吐く病気としては、結核が恐れられていた。
13.チビリ シ・シュリ(連語)大便を少し洩らす。(幼児・老人・病人などが)。
14.チビリマリ(名詞)大便がついたままの尻。主として、子どもの排便後の始末の悪い状態にいう。
15.チューサリ(形容詞)〈1〉強い。(対)'jo'wasari[下巻]を見よ。〈2〉(身体が)強い。丈夫だ。(対)'ja'warasari〈3〉(病気が)重い。(対)garusari(類)'jaxamasjari
16.チキャラ ヌ ネン(連語)力が無い。物を動かす力にもいい、体力が無い意味にも用いる(病気や老齢などで体力が落ちた場合)。×能力、勢力、財力などには言わない。
17.チックルい(名詞)ヒステリー。
18.チューフ(名詞)中風。現在、脳軟化症その他いろいろの病名のつく病気も、昔は足腰が立たなかったり、ことばが不自由になったりする状態を、全てjuuhuとよんだ。
19.チラシグスリ(名詞)散らし薬(腫れや熱を散らすための)。
20.チドリガけぇ(名詞)千鳥がけ。大正時代までセルの着物の裾は千鳥がけをしていた。3つ折にしてくけると厚くてごろごろするからであろうか。(ウールならほつれにくくもある。)この技法は、たとえば日本の鎧の綴り合わせや、神官の衣裳の袖附などに用いられてもいるものである。
21.チラシ(名詞)散らし柄。大島の絣は経緯の糸を合わせて絣柄を織出すのを原則とするが、これは残り糸を使って、柄を合わせず糸の本数などもまちまちに織込んだりしたもの。おもしろい効果を出す。
22.チコと(名詞)縦横絣の中間に、横絣だけを入れたもの。絣の柄の構成をいうことば。
23.チキャガラスリ(動詞)(縦絣を)上(前)方に調整する。縦絣は決められた位置より上や下にずれることがあるが、それを調整するckure のうち、下(後)方にずれている絣を、本来あるべき位置に戻すため、針で絣の織り目を1筋1筋すくって上方にずらせる。面倒な仕事である。(類)ckure(対)marihikjasuri
24.チー(名詞)<1>乳(人、動物の、乳房も、乳汁も)。詳しくは[人体]の部を見よ。
25.チャードヤ(名詞)簡単な造りの家。棟からkici《垂木》が直接下がって来て軒になっているもの。cjaadoは《直接》の意。薩藩施政時代は、一般の人の家はこの形式しか許されていなかった。huNbarja《本柱》を立てず、hikimuN《大引き》を使わないのも特徴。あまり大きい家はなく、天井は張らないから梁から煤がゆらゆら下がっていたり、桁をネズミがかけるのが見えたりしていた。
26.チュこ(名詞)1組。屋根をふく人員の数を5人1組とする。すなわちga'jauci、ga'janarab、ga'jasjeme、harisasi、xuduriの5人。(類)'jaahukiniNe
27.チューリガヤ(名詞)1人でかつぐ分量のかや。すなわちかやの量を数える単位で、幾坪の家は幾人かやとおおよそ決まる。
28.チガいダナ(名詞)違い棚。太家の書院に違い棚があり、薩摩焼の置物が飾ってあった。
29.チュー ヌ ヤー(連語)人の家。よその家。
30.チチ(名詞)よこ杵。臼で玄米や籾を搗いて精製するときに用いる。玄米を白米にするには、2升5合ずつ、800回くらい搗いた。本土のような水車や足踏式の精米機はない。

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