奄美方言音声データベース

方言五十音別索引:ト ド

語彙数:66

1.ドゥー(名詞)〈1〉からだ(人、動物の)。胴、胴体(人、動物の、頭や手足を除いたからだの主な部分。太鼓、蛇皮線などの)。[(類)dubare、du'jare]〈2〉自分自身。{類}zibuN
2.ドゥかべぃ(名詞)[0.0.duu(p123)の次に次に排列される。]〜N sikiraNの句で言う。自分で自分の身のまわりの始末も出来ないこと。たとえば老令のため、大小便の始末は出来るが便所へ行くのには人手を借りねばならないような状態。(類)doomo 比較的若くても重病で寝たきりになったときにも言う。子どもについては言わない。
3.ドーグ(名詞)陰部のこと。次の昔話に見られる。(類)sagdooguxesa aaN juka naa.aru oro naN muhu'joosi uruN kutu naaN juka na.uN muhu naruN nese nu 'uziN crraQt 'jum naruN 'jaaci cjaN juka na. maz jeesac nu sdN geera 'jum nu aNma ga “doogu misitkurNsjor.” ci ijaQtu、nese 'jaa duu ba muzimuzi smutaN ci.gasi jaQtu sobaara 'uzi nu “hackasja siigore iruN nja.aruNxu'in mucimoru muN du aQka.”ci ijaQtu、nese 'jaa kiro izjaci mari xaragro ci jaN ci.gasi sjaQtu aNma ga sjoomade si、“aa'i、uN doogu araN do.”ci ijaN ci.njaa uN buuN.《むかし あった と さ。ある ところ で 婿養子を とる ことに なった と さ。 その 婿に なる 若者 が おじに 連れられて 嫁に なる 家に やって来た と さ。 まず 挨拶 が すんで から 嫁の 母親 が 「道具を 見せてください。」と 言ったところ、 若者 は からだ を もじもじ させていた って。 そう したら そばから おじ が 「恥かしがることはないじゃないか(恥かしく するほどのこと 要る か)。誰 でも 持っている もの じゃないか(ぞ あるか)。」と 言ったら、若者 は 勇気を 出して 尻をからげよう と した って。そう したら 母親 が あわてふためいて(あわてふためき して)、「いいえ、 その 道具 じゃない よ。」 と 言った って。それでおしまい(もう それ だけ)。》[最初の句と最後の句は、昔話の決まり文句。]
4.ドゥーユグルぃ(名詞)ckinumuN の上品な言い代えことば。《体汚れ》の意。動詞はsjuriをとる。長田は母に月経のときはduu'jugur sjuriとか、duu nu 'jugururi、あるいはxamaci nu 'jamuri.《頭 が 痛い。》とか言え、と教えられた。
5.ドゥーハダ(名詞)人肌(の温度)。母や子守りの体温は子どもにとって大切なものと考えられていた。
6.ドゥブヌぃ(名詞)からだの骨(からだの骨全体をいう。×指、腕など部分の骨は指さない。労働で疲れたときにも使う)。
7.ドゥくサリ(形容詞)(病気をせずに)元気だ。無病息災だ。×元気に遊んでいる、のは(類)giNki si asduri
8.ドゥーたハベぇ(名詞)自分のからだを必要以上にいたわり、怠けること。
9.ドッキン(名詞)フィラリア病の患者の症状の1つである肥大した睾丸のこと。重さが6斤ばかりかかるというところから名づけたか。[長田の村にも膝のあたりまで下がった人がいた。竜郷村の岩切登氏の談によれば、大正2年ごろ、名瀬の宮之原医師の手術を受けた喜界島の人のそれは、25斤もあったという。]
10.ドーモ(名詞)耄碌。老令のため、記憶力や判断力が非常に衰えるとか、大小便の始末も自分でできなくなるとか知能、身体両面において衰えること。(類)duxabe[人体]
11.ドゥマキ(名詞)皮膚病の一種。じんましん状のものが細腰のあたりに巾2、3分の紐状にできる。子どもに多くでき、痛がゆい。胴を1回りすると命をなくすといわれ、まじないをしたり、灸をすえたりした。戦後はほとんどみられなくなっている。
12.ドゥク(名詞)毒(ハブ、ソテツ、毒キノコ、毒草などに含まれている。腐った食べものなど健康を害するもの)。×「食べ過ぎると毒だ」「毒にも薬にもならない」というような言い方はしない。
13.ドゥミシュ(名詞)御ふだん着。下層から上層の人に言う。hurisudの項の例文を見よ。
14.ドヤレ(名詞)着物が、きれが古くなったりしたために、ひとりでに破れること。[[以上、[人体]の部より]]
15.ドゥーアゲぃ(名詞)腰上げ。明治半ば以前は、大人も子どもも腰上げをしていた。大人は外側に折り、子どもは内側に折る。本土からおはしょりをする着方が入って来てからは、大人の腰上げは姿を消して来たが、今でも80才以上の農婦の着物に稀に見ることがある。
16.ドンス(名詞)緞子。シナから沖縄を経て、琉球王家からの拝領品として大島にもたらされた。太家に伝わる見事な緞子のdugiN《胴衣=上衣》も、長田はもともとnoroのものと思っていたが、鎌倉芳太郎氏(沖縄並びに服飾研究科)によれば、布地は琉球王家のものとのことである。濃い藍色の緞子地に、金糸や朱で竜、小槌などが織出してあるが、昭和47年3月の沖縄展覧会で、よく似た衣裳が琉球王家の召し料として展示されていた。また、与人の礼装の帯は、hacibudaraと言い、濃い茶色に竜の地紋が織出されている緞子である。[社会]の部参照。
17.ドーサ(名詞)明礬。アルミナ。媒染剤として草木染めに古くから使われていたようである。
18.ドロアい(名詞)泥藍、大島紬の染色に用いる語。藍染めにしてからちょっと泥染めにすると、藍の褪色し易いという欠点を防ぐことが出来る。ただし、藍の美しさはそこなわれ、夜など柄が真黒になって見えたりするものもある。(類)sjooa'I
19.ドロズムぃ(名詞)泥染め。eecig《シャリンバイ》など、タンニン質を持っている木の煎じ汁で、4、50回かかって茶褐色に染めてから、泥で染めることで、染めては乾し、染めては乾すことを、全体を通して、7、80回繰返して、黒色にあがる。合成染料では決して出せない、美しい光沢のある黒である。大島の泥は、特別の性質(化学的には酸化鉄とのこと)を持っているようで、わざわざこの泥を鹿児島に運んで鹿児島で大島紬を作っているのを見た(昭和28年)。喜界、徳之島の泥では本島の泥染めのようにならないため、大正のころ大島紬のうち、喜界紬、徳之島紬は、同じ柄でも本島紬より値が安かった。
20.ドガキガい(名詞)ソテツの幹の澱粉だけで煮たかゆ。食糧事情のよほど悪いときに食べる。まずいものの代表にされている。(類)xa'i
21.ドゥバンメ(名詞)弁当を持参すること(村の公共の仕事にかり出されるときなどに。×学校に弁当を持って行くことには使わない)。
22.ドマ(名詞)土間。たたき。奄美の家は、本来は土間をもたない。明治以後huNxumi《玄関に当たるもの》と台所に少し作るようになった。
23.ドーか(名詞)(中)廊下。1棟にいくつもある部屋の間を隔てるものであるから、部屋どうしがついている奄美の昔からの構造には無い。本土風の新しい建て方の家や、公共機関―たとえば学校など―の洋風の建物ができるに及んで入って来た部分である。(類)xa'jo'i、 'iN、 uci'iN
24.ドンズぃキ(名詞)胴突き。地盤を固くするために人力で固めること。簡単なものは1、2人でするが、数人で重い石、丸太に縄をつけ、これを上下させることが多い。現今は電力で行う。
25.ドーグ(名詞)道具。什器、大工道具、裁縫道具、釣道具、作業用道具、家具、学校の文房具など。食器類にはいわない。
26.ドーグサク(名詞)家財道具。家の中で用いる家具や、什器その他種々の道具類をまとめていうのに用いる。
27.ドゥンブリ(名詞)どんぶり。ふつうの大きさの物の外に、大きいものをhuuduNburi、小さいものをjenaduNburiという。また色彩のきれいな焼きのものをnisiki'jakiduNburiという。
28.ドこネウルシイシ(名詞)くさびら石。石珊瑚の一種。固いぎざぎざを利用してダイコンをおろした。[天文・地文・鉱物]の部を見よ。
29.ドーソクたてぃ(名詞)ろうそく立て。真鍮製の大小のがあった。1対を神前に供える。(類)sjokuda'I
30.ドー(名詞)蝋。

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