奄美方言音声データベース

方言五十音別索引:ニ

語彙数:52

1.ニリバシャギン(名詞)粗いバショウの繊維で織った着物。果肉を取り去り、繊維を柔かくするために灰汁で煮ることから、niribasja《煮バショウ》の名がある。arabasjagiNに同じ。(類)namabasjagiN
2.ニおいボッコロ(名詞)匂い袋。チョージの実を中に入れてあるのでjooziboQkoro≪チョージ袋≫とも言う。その項参照。 なお、≪におい≫は ni'weまたxaza.
3.ニショバシャ(名詞)繊維を取るバショウの外側から2番めの皮。またそこから得た繊維。煮て繊維を取る。1斤に対して米2升が交換されることからこの名がある。(類)basja、niribasja、arabasja
4.ニリバシャ(名詞)煮て繊維を取るバショウ。nisjobasjaからxasbasjaまではこれである。(類)basja(対)namabasja
5.ニギバン(名詞)真綿をかけて、糸をつむぐのに便利にする具。Nigiは《とげ》で、6寸平方くらいの板の面に、1寸弱の竹の針を一面に打ちつけてある。これに真綿を張るようにかける。下に抽出しのついたma'wabakuがついている場合が多い。つむいだ糸をsbaraというざるか、ma'waabakuの抽出しかにおさめて行く。[類]ma'waaumi
6.ニシキ(名詞)錦。すなわち綾織や繻子織の地に、色々の緯糸を使って美しい模様を織出した、絹の紋織である。琉球では中国から絹織物の技術者を招聘して高級な錦等を織らせたという。大島では作られなかったから長田の実家太家に残っている2枚のものは、琉球で織ったものか、あるいは琉球を通じて中国から入ったものであろうか、判らない。平織や綾織りの地に美麗な紋織を出している。綾織には金糸で竜を織出したところ、またかま糸で織ったところ、紙を緯糸に使ってあるところなどがある。これもdugiN《胴衣》という短い上衣で、下には袴を用いるという。Noroの高い位の者が、祭儀に用いたという。たまたま東京のある友人が、今は長田が所蔵しているこのdugiNを見て、自分はそれとそっくりの錦の油単を所蔵しているが、それには徳川の葵の紋が縫取りしてある、というので、見せてもらった。琉球から徳川家に献上した布地ででもあるのであろうか。
7.ニギリユリ(名詞)右縒り。片縒りの糸を使って織ってある布は大概右縒りである。手で縒りをかけるときは、左手を下に右手を上に合わせ糸を挾んで右手を向こうへ動かすと、右縒りがかかる。糸車でするときは、左手で糸を持ち、手をなるべく伸ばして錘の先に繊維を2、3回かけて右手で糸車を向こうへ(時計の針の動きに同じく)廻すと、右縒りがかかる。(対)hizari'juri(類)saneruri、noo'uri
8.ニジューたスぃキ(名詞)2重たすき。絣の柄の1つ。askiの応用で、古くからある。
9.ニッチャリ(形容詞)まずい(味覚の。×下手だ、の意は(類)hwea新語。(対)aQsari
10.ニギャサリ(形容詞)苦い(薬、ツワブキ、フキ、ヨモギ、クサギなどの食用植物、サザエなどの腸などの味が)。
11.ニギリミシ(名詞)握り飯。まん丸に握る。バショウ、ゲットウ、クワズイモなどの葉を、火にちょっとあぶって包む。またタカナの塩漬け、あるいは味噌漬けにしたものでも包む。
12.ニギグヮシックヮ(名詞)金米糖。食料品、日用雑貨店で売っていた。《とげ菓子》の意。ままごとでは、キツネノボタンという草の実をこの菓子のつもりで使って遊んだ。
13.ニワとゥリ(名詞)ニワトリ。他の鳥と特に区別するときに言い、ふつうにはuri《鳥》という。(類)uri
14.ニギ(名詞)<1>(魚の)小骨。刺さるものとして見る。×魚の背骨は(類)hun[魚の小骨がのどにひっかかった時は治すためのまじないがある。(類)nigiguci
15.ニルリ(動詞)煮る(肉、魚、豆、野菜などを、水に入れて火にかけ、それらが食べられるようにする。×フノリは(類)axuri)。(類)szruri
16.ニムン(名詞)味噌味の煮もの。
17.ニェールリ(動詞)煮える(肉、魚、豆、野菜などが)。
18.ニーヘぇレルリ(動詞)煮えすぎる。
19.ニダスリ(動詞)煮出す(だし汁、スープを取るためだしジャコ、トリ・ブタなどの骨を)。
20.ニツぃムぃルリ(動詞)煮つめる(煮しめ、練り味噌、魚の飴だき、砂糖作りの段階で味噌汁を)。長時間火を加えて汁の濃度を濃くすること。
21.ニツぃマルリ(動詞)煮つまる(味噌汁、スープ、煮物の煮汁などが)。一定以上の時間を加えて汁の濃度が濃くなること。
22.ニケックヮ(名詞)2階。古い建て方の家にはないものなので、村落部にはまれにしかなかった。
23.ニギグチ(名詞)nigi《魚の小骨》がのどにひっかかったとき、唱えるまじない。主に一家の主婦が行う。(男がやるときもあった。)水または酒の入った湯呑み茶碗を口の近くに持って行き、次のようなまじないを2へん唱えて息を吹入れ、それを小骨をのどにひっかけて困っている人に飲ます。
24.ニラいかナい(名詞)naruxoeruxoに同じ。琉球から来たことば。
25.ニンギン(名詞)人間(神あるいは動物に対比して)。(能力などが人並はずれていることについて、やや大げさに言う場合に用いる。×「人間わざ」に当たる言い方は無い。)(×「人間味」「人間が出来ている」という表現の、《人格、人柄》の意味を含んだ用法は無い。)(類)cju
26.ニワとゥリグラシ(名詞)その日暮らし。
27.ニンて(名詞)人手(ひとで)。労働力となる人数。村の公共の仕事、屋根の葺き替えなどの仕事では各家から人が出てその任に当たった。
28.ニドゥワク(名詞)2度目に田を耕すこと。aa'wakuを見よ。
29.ニャーブ(名詞)落穂。イネを刈り取った後の落穂拾いは、その田の持主の家の人がする。(類)iNju、ihuhere
30.(名詞)荷;荷物(生産物・商品を運搬に便利なようにまとめたもの。一般の持ち運ぶ品物。×家財道具は→doogusaku 、'jaa nu doogu.)。

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