奄美方言音声データベース

方言五十音別索引:ユ

語彙数:88

1.ユムズぃラ(名詞)嫌な奴。《嫌な顔》の意。相手を面罵するのに使う。'jumuzramuNとも言う。子どもどうしはよく使うが、大人どうしが使うのはよほどの大喧嘩の場合である。'janagezraとその程度はほぼ同じ。'jumu-は'jumuhagosari《大嫌いだ》、'jumuwaacki《悪天候》などの語に見られる。(類)'janagezra
2.ユムズぃラムン(名詞)嫌な奴。《嫌な顔の者》の意。喧嘩や叱責などの罵りに使う。単に'jumuzraとも言う。(類)'janagezra
3.ユくビンた(名詞)なぐる対象としてのbiNa。横っつら。(類)biNa、xaabiNa(対)moxezra
4.ユヌぃクブミ(名詞)えくぼ。(類)hikumiQkwa
5.ユリムぃ(名詞)寄り目。(一時的なものではなく、不具として。)[寄り目をふざけてして遊ぶということはなかった。][この項 佐多矢枝氏に聞く。]
6.ユユ(名詞)〈1〉葉柄。[植物]の部を見よ。〈2〉(足が長いことを言うのに用いる。足首から先は問題にしない。)
7.ユミアザ(名詞)お喋りぼくろ。azaを見よ。
8.ユスグリ(動詞)ゆすぐ。洗濯ものを水に通して、汚れやakuziru《灰汁》などを取り去ること。(類)siNaku 下巻を参照のこと。
9.ユーガサ(名詞)用安笠。'juuとは笠利町用安の略称で、そこで製造されたのが始まりなので、この名がある。備後産のイグサが材料で、円錐状のやや深い笠。(類)xaburigasa
10.ユビワ(名詞)〈1〉指ぬき。女学校で裁縫を教えるようになってから用いられるようになった。それより前は、てのひらに布を折って当てて、長針で縫っていた。〈2〉指輪。大正末ごろから本土の貴金属の指輪が入り上層の婦人がはめるようになった。また第1次世界大戦後、大島紬の景気がよかったとき、仲買人が金のかまぼこの指輪をしているのが多く見られた。(類)ibNgan
11.ユリ(名詞)(糸の)縒り。縒りをかけることは、糸に丸みを与え、取扱い易く、ほつれにくくし、また丈夫にする。織物の種類によって縒りの加減が変わる。お召などは、縒りを強くし、大島紬などは縒りをあまくする。縒りを強くするには糸車を多く廻す。縒り方には左縒りと右縒りがある。それを組合わせて諸縒りが出来る。奄美の織物には片縒りだけが使われている。縒りをかけない糸、すなわちかま糸は、刺繍などに使われる。長田所有のnoroのdugiN《胴衣》には、かま糸で刺繍がしてあるが、これは琉球王家からの御下賜品で、奄美では手まりの糸かけを除いては刺繍はしなかったと思う。(類)'jurixehe、cNguri、haa、cm
12.ユリけぇへぇ(名詞)つむいだ繊維に縒りをかけること。織り糸として強さを与えるなどのため。((類)'juri)以前はcm《錘》という道具の先に少し糸を巻いておいて、左の手に糸を持って、伸ばせるだけ手を伸ばして、1つ、2つと数えながら、糸車を廻して、縒りの強弱を加減して縒りをかけた。(この作業をcNguriという。)現今は機械化して、工場では撚糸の機械で見ている間に縒りがかかる。'jurixeheはまた、織り糸以外の糸、紐のだぐいに必要に応じて縒りをかけることも含む広い意味に使える語である。(類)noo'uri
13.ユく(名詞)緯糸。nukiに同じ。(対)a
14.ユミ(名詞)marukiの新しい言い方。よみ。現在の大島紬は平織のみであるが、明治前後までは、絽織り、花織り、2重織りなどがあったので、よみも20よみ以上のものがあり、大変精巧で美しいものがあった。(類)maruki
15.ユくジマ(名詞)横縞。地糸(経糸)を無地にして、緯糸で柄を出すもの。織始めてからでも自分の好みに柄を作って行けるので、柄を初めて作り出したのは、この横縞ではなかったかと言われている。
16.ユくガスリ(名詞)横絣。nukidurikiriの新しい言い方。(対)agasuri
17.ユー(名詞)湯(飲んだり、物を洗ったりする)。風呂の湯。風呂に入る、は(類)horo iruri.(類)sa'ju、 akuri'ju、nuru'ju
18.ユリヌシン(名詞)ユリの澱粉。テッポウユリの球根から取る。とり方は他の澱粉と同じで、水にさらして毒抜きをする。カタクリと食べ方は同じであるが、カタクリより味も、においもよい。
19.ユシェン(名詞)湯煎。
20.ユスぃドーフ(名詞)柔らかい豆腐(本土の絹ごし豆腐より少し柔らかい)。
21.ユージン(名詞)<1>便所。長田の生家では、納戸のそばに1つ(下便所)とsju'iN《書院=客座敷の棟》のそばに1つ(上便所)、計2つの便所が別棟であった。他に門を入ってnahaN'ja《家族の住まいの棟》の入口に至るまでの途中の片隅に、小便壺が埋め込んであった。かこいはない。男の客が利用したものか。明治の末ごろまでは、便所のない家もあり、ブタ小屋の中に大きな木を2本かけ渡して、それにまたがって用を足している家を見かけた。『南島雑話』によれば、天保ごろは便所のない家が多く、gazjumaruやadaNの木の枝にまたがって用を足したとある。古謡に、 gwaNziicuu nuu sxaamaa、haamaa ur miiriibaa'aa、 aasakusuu nuu hiizjaaarimaakiigjooraasaa.《元日 の 朝、 浜に おりて みると、朝糞 が きれいに左巻きにしてある。》とうたっているところを見ると、古くは海岸の砂地で用を足したのであろうか。便所の穴は本土のような長方形ではなく真4角な穴であった。便所に他の人が近づく足音がすると、中の人は咳ばらいをして自分の入っているのを知らせた。砂糖小屋などには全く便所はなかった。
22.ユく(名詞)<1>横(前後に対して左右、上下に対して水平)。詳しくは[下巻]を見よ。
23.ユくヒキムン(名詞)大梁。すなわちhuNgea《本桁》の下にかけ渡す横材で、水平面の横に用いる方を、縦のnagahikimuN《大材》を用いる。nagahikimuNを上に、これを下にして本柱に組み合わせる。(類)hikimuN
24.ユツぃリ(名詞)かやぶき屋根の構造で、kici《垂木》の下に横に渡し、カズラで垂木を結びつけて固定させる丸い横棒。高倉の屋根の場合など、下の方は1本1本長さを計って切ってから用いるが、上の方は長いままを周囲に引き回して使うので、屋根を裏側から見ると丸い感じに見える。
25.ユツぃリデぇ(名詞)えつり。木舞。屋根の斜面に合わせ、割竹をカズラで編んだもの。これを屋根の斜面にはるように下げ、その上にかやを置く。 
26.ユルい(名詞)いろり。3尺角のものでこの周囲に人が坐れるように作られている。かまどはおかない。自在鉤を下げ、これで煮炊きをし、暖をとり、回りを囲んで食べたり、話したりする団らんの場でもあった。平常は夜掃除をすることを忌むが、家人が死んだときは夜掃除をし、その灰の上に死人が生まれ変ったとき足跡を残すといわれている。その足跡は動物のものとのことであるが、家人は人間の足跡が残っているようにと祈る心地で灰の上をのぞく。以上のことは、ziroにも共通している点が多い。ziroは一般の家にもあるが、いろりは中層以上の家にある。(類)ziro
27.ユルいヌかミサマ(名詞)いろりの神様。acNxamisamaに同じ。
28.ユとー(名詞)湯桶。黒の塗り物。これからこげ飯に湯を差して飯粒を流し、その湯を食後に飲む。
29.ユサマシ(名詞)湯ざまし用の茶碗。玉露を入れる時、いったんこれで湯の温度を下げて入れる。煎茶の道具は湯呑み茶碗10こと、急須1こと、これとで1組になる。
30.ユリ(名詞)目の粗いふるい。マダケで作る。籾ののぎのついたものと、ついていないものを選り分ける道具で、のぎのついていないものは、ふるうと穴から下に落ちた。

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